風俗業とひと口にいっても、そのジャンルは多岐にわたっています。
かつてはソープ、ピンサロ、1980年代以降はヘルス、亜流としてビデオボックス、後年登場して、一時期勢いがあったヌキキャバ、他にもセクキャバやオナクラなど、さまざまな業種やジャンルがあります。
なかでも「風俗の王様」としての地位を確立しているのは、なんといってもソープなのですが、「稼げるか否か」ということや、時給や日給あたりの「割の良さ」というと、また事情は違ってきます。
もちろん地域によってもかなり条件は異なってきます。
兵庫県の神戸にある福原は、ソープ街として高い知名度を誇っていますが、こういった「ソープメインの街」において、ピンサロの条件というのは、どれくらいのものなのでしょうか。
ソープとピンサロの違い:原則本番がない
まず、「そもそもピンサロとソープで何が違うの?」、というところからお話ししますと、端的にいえば、「本番があるかないか」、というところにつきます。
ピンサロ(正式名は「ピンクサロン」ですが、1970年代くらいの昔から、「ピンサロ」という通称で完全に定着しています)は、基本的には本番行為はおこなっていません。
風俗営業に関する法律(通称「風営法」)においても、ピンサロとソープは、別扱いになっています(だからといってソープの本番が完全に合法化というとそこは解釈の問題で、あくまでも「密室における自由恋愛」という解釈において、合法とされています)。
ピンサロにおいても、なかには(若干闇で)本番があるような場合がありますけれども、特に福原のような「ソープメインの風俗街」においては、差別化を図るという意味でも、ソープ以外のジャンルで本番がおこなわれるようなことはまずなく、「原則ピンサロでは本番はなし」、といっていいでしょう。
プレイ時間も異なる
それから、ソープと比較してピンサロは、お客さん一人当たりのプレイ時間もかなり短いのが一般的です。
ソープには超高級店や高級店、中級店、格安店などの階層が存在しているのですが、概ねグレードが高くなればなるほど、長いプレイ時間を選択できるようになる傾向にあります。
なかには半日程度のプレイ時間を設定しているようなお店もあるくらいです。
ソープと言えどもサービス業ですし、ユーザーの目線からすると、「ゆったりと贅沢な時間を過ごしたい」、というのは、しごくまっとうなニーズでもありますので、高級店において、超ロングな時間設定をおこなっていることも、ある意味納得できるところです。
単純に労働時間の長さだけでいうと、どんなジャンルにおいても一人の人間が過ごす一日の長さは、等しく24時間であり、一人当たりのプレイ時間が長かろうが短かろうが、拘束時間がそれほど変わってくるわけではないのですが、それでも一人当たりのプレイ時間の長短は、手取りにも直結している、ともいえそうです。
バックの違いもある?
さらに、ソープとピンサロでは、女性が受け取るバックのパーセンテージも、(あくまでも「一般的には」ということなのですが)かなり違ってくる、といわれています。
本番の有無や、サービスの質など、そもそもソープとピンサロでは「コンセプトが異なる」ところがあるものの、とはいえ両方とも風俗業なので、一見本質的な違いはないようにも見えます。
しかし、例えば高級リゾートホテルと格安ビジネスホテルの違いから見て取れるような「コンセプトの違い」は、そのままそこで働く従業員の報酬にも関係してくることは、想像に難くありません。
サービスの質、量、ターゲットとしている客層など、ソープとピンサロですと、かなり内容が違ってくるのです。
手取りの仕組み:地域格差も存在する
ソープとピンサロの根本的な違いに加えて、地域的な問題も存在しています。
神戸の福原は、先にお話ししたように、基本的には「ソープ街」です。
東京は台東区の吉原や、神奈川県は川崎の堀之内などと同じく、ソープメインの風俗街であるため、なかなかそのほかのジャンルが主流となる、つまりいわゆる「メインで稼げる状態になる」、ということは考えにくいものです。
逆に、ソープがほとんどなく、ヘルスやピンサロメインの地域も存在していて、こういった場合には、比較対象のソープが存在しないこともあって、「相対的にピンサロでは稼げない」、といったことがあまり起こりません。
そういった意味では、福原においては、「ピンサロはあまり稼げない」というのは、真実である可能性はかなり高い、といえそうです。
田舎のほうではピンサロは人気?
しかし、まったくソープがない地域が存在しているように、実は「ピンサロはあるがソープがない、または少ない」、といった地域は、日本中に存在しています。
都市圏ではなく、どちらかというと田舎と呼ばれる地域のほうで、そういった例が見受けられるのですが、田舎ではまだまだピンサロが健在であることも多いようです。
そういった場合には、ソープが少ない場合には余計に、いわゆる「稼げる」状態を維持していることも少なくありません。
世の中から風俗業が完全に廃れてしまうことはほぼない、と考えると、単純に「風俗の王様」であるソープが少ない地域でのピンサロ勤務は、それほど条件が悪くならない、と考えて良さそうです(あくまでも「相対的な評価において」の見解です)。
プロフェッショナルとしての意識の違い:ソープ嬢のプライド
先のお話しした「本番の有無」は、ソープとピンサロの大きな違いであり、そこで働く従業員のモチベーションやプライドといった部分にも、かなり影響をおよぼしています。
ソープの場合、ある意味「性風俗業界における究極のサービス」を提供している、といえますので、そこで働く女性も、それに準ずるプライドを持ち合わせていることが多いようです。
こういったことも関連して、相乗効果でソープとピンサロのパブリックイメージに差異が出てきていることもまた事実です。
中間的な位置付けで誕生し、風俗業界において、現在においてはソープとピンサロという両者に勝るとも劣らない存在感を示しているのがヘルスやホテヘルです。
このジャンルにもまたユニークな感覚があるようですが、この件はまた別の機会に述べたいと思います。
職業意識の変化から移籍
こうした事情から、モチベーションが変化した場合に、ソープからピンサロへ、あるいはその逆パターンなどの移籍がみられることも少なくありません。
神戸の福原は、ソープがメインの街であるため、基本的にはソープのほうが稼げる街ではあるものの、個々人の感覚や相性という問題もありますので、移籍はそれなりにおこなわれているようです。
このあたりは、単純な労働時間の問題だけではなく、さまざまな事情を加味して、結果的に報酬や売り上げの差となって、差異が顕在化しているところではあります。
まとめ
ソープとピンサロでは、そもそものコンセプトの違いや、お客さん一人当たりに平均的に費やす時間の差異、平均的なバック率のそもそもの違いなどから、報酬や手取りといった条件面での差異が、結構大きくみられているようです。
ソープがメインとなっているような風俗街の場合はなおさらで、神戸の福原でも、定石通り「ソープのほうがピンサロよりも稼げる」、といった状態になっているようです。
ピンサロで、ソープに匹敵するくらいに稼ぐ、ということを考えるのであれば、福原のようなソープ街ではなく、地方都市(つまり田舎)でなおかつソープが少ないところであれば、実現性が高まるもの、と思われます。
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