AV出演を希望する女性が増えたことで、AVに出れば高額な報酬をもらえるという時代は終わり、AV女優の報酬はどんどん減額していっています。
1本当たりのバックが高くても安定して仕事をもらうことが難しく、よっぽど人気が出ない限り一攫千金のようなことはできません。
高単価でそれなりに安定した報酬を期待するなら風俗店で働く方が確実です。
しかし風俗店で働くには抵抗のある女性や、風俗店勤務が辛くなりAV女優へ転身したという女性も少なくないでしょう。
そのような女性や、善良なプロダクションに所属しているものの人気が落ちてきた女優をターゲットにして、一部の制作会社やスカウトは海外配信予定の無修正AVや裏モノ系と呼ばれる作品への出演を持ちかけることがあります。
高額な報酬など女性側にとって都合のよい条件を提示されますが、これらの作品には絶対に出演するべきではありません。
そもそも日本で性器にモザイク等の処理をかけない無修正動画や画像の配信は違法ですから、制作側だけでなく出演者側も違法な作品の制作に加担したとして逮捕される可能性があります。
有名動画サイト運営グループの摘発
日本で禁止されているはずの無修正動画が投稿されていることで有名な「カリビアンコム」。
サイト名を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
しかし、このサイト上で無修正のわいせつな動画を公開したとして、動画を制作した制作会社の社長が「わいせつ電磁的記録媒体送信頒布罪」の容疑で逮捕されました。
次いで社員、動画に出演した女優・男優なども続々逮捕されています。
そして配信元の会社役員であった男性の逮捕が発表されたのは2017年3月9日。つい最近の話です。
このカリビアンコムの一件のように、有料動画配信サービスを通じ無修正動画を配信した罪で逮捕される事例が相次いでいます。
無修正などの裏モノAVであったとしても、海外配信なら逮捕されないと考えられてきましたし、そのように制作会社やスカウトから話を持ち掛けられる女性もいたかもしれませんが、海外配信であったとしても送信した動画・画像データが日本から転送したものであれば日本の刑法が適用され、わいせつ図画公然陳列罪が成立します。
日本の法律で無修正動画が違法とされている以上、どのような手段を使ったとしても摘発に巻き込まれてしまう危険性は消えません。
これまでは「女優はあくまで被害者」と守られてきたものの、最近は「あなたが出演しなければこの動画が配信されることはなかった」という見られ方に変わり、今後警察の海外配信サイトの取り締まりがより厳しくなっていくことが予想されています。
なぜ違法な無修正動画の配信を行う会社が存在するのか
インターネットの普及に伴い、多数のAV作品が違法にアップロードされることで視聴者側は作品を買わなくなりました。
これにより制作側は、AV作品の制作やDVDの販売だけでは収益を上げることがむずかしくなってしまいました。
そこで裏モノと呼ばれる作品に目を向ける会社が増え、修正の手間が必要ないことから制作費も抑えられるので違法な動画を配信するようになったのです。
つまり、収入を得るための手段がエスカレートしていった結果、違法な無修正動画の配信に手を出す会社が増えたのです。
しかし日本で無修正動画の配信や販売等は違法なので日本国内で作品を扱うのは危険なことです。
一方海外では性器にモザイクがかかっていなくても違法とされない国もあります。
そこで制作会社は収益をあげるべく、有料アダルトサイトの運営・配信会社が海外にあれば、無修正動画を配信しても日本では摘発の対象にならないと考えたのです。
無修正動画の海外配信を行う業者が増えた背景には、インターネットの普及による業界の不況があったということです。
無修正作品に出演した場合のバック
無修正の作品に出演した場合のバックは通常の1.5倍程度が相場で、例えば本来1本10万円の報酬がもらえるような内容のお仕事の場合、その作品が無修正であることを承知の上で出演したとしても入ってくる報酬は15万円程度です。
たったこれだけの報酬で自分の動画が世界中の人に見られてしまうことになるわけですが、きちんと報酬が支払われているだけまだマシと言えます。
中には「ただのアルバイトの登録だから」と騙され出演承諾許可書にサインをさえられ、無報酬もしくは数万円程度の報酬で出演させられてしまったという被害にあった女性も多数存在します。
無修正の動画は海外配信することを念頭にして制作されていることがほとんどなので、もし後から自身の作品をサイトから削除させたいと思った場合でも、海外の場合どこに連絡を取ればいいのかわからないという状況になってしまいます。
また、作品を削除させるために裁判をしようとしても、会社は海外にあるため海外で裁判を起こす必要があります。
たった数万から数十万円程度の報酬で、一生自分の動画が世界中の人にさらされ続け、自分自身も逮捕されてしまう可能性がつきまとうなんて、あまりにリスクが大きすぎると思いませんか?
悪徳業者に騙されないために気を付けること
これまでご説明してきた通り、海外配信予定の無修正動画への出演には大きなリスクしかありません。
自分の意志で断れる状況にあるのなら、どんなに高額なバックを提示されてもきっぱりと断りましょう。
しかし、これらの動画に出演してしまった女性の中には制作業者やスカウトに騙されて出演してしまったという女性もたくさんいます。
ある女性の例ですが、モデルのバイトのつもりで小さなプロダクションに面接を受けに行き、登録用紙と渡された紙に名前と住所を記入し、署名・捺印をして免許書のコピーも取られました。
さらに傷やタトゥーの有無の確認と言われ上半身裸の写真も撮られました。
その時には少し違和感を感じましたが、「全員同じように撮影している」「他に使うことはない」という言葉を信じていました。
騙されたことに気付いたのは数日後、プロダクションからAV撮影の仕事が決まったという連絡を受けてからです。
「そんなことできない」と反論したものの、「自分で出演許諾書に署名している」「違約金がどれだけかかると思っているのか」「親に請求する」などと脅され、その時に初めて登録用紙と言われ記入させられた紙が契約書だったことに気付きました。
上半身裸の写真を撮られてしまったこと、免許書のコピーを取らせてしまったことから親や知人にバレてしまうという恐怖がよぎり、彼女は制作会社のいいなりとなってその後数年、辛い環境でAVに出演し続けました。
これはほんの一例ですが、モデルや歌手になりたくてプロダクションに面接に行ったのに無理やりAVに出演させられてしまい、世界中に自分の動画が出回ってしまったという被害に遭う方が年々増加しています。
これらの被害に遭わないためにも、そもそも健全な事務所は女性に無理強いをしてまでAV出演させるようなことは絶対にないということを知っておいてください。
また契約とは、双方の同意のもと交わす約束事なので必ず控えをもらえるはずです。
信用できるプロダクションなら必ず
・契約書の控え
・担当者の名刺
を、催促しなくても渡してくれます。
悪質な業者に騙されて辛い思いをしてしまわないためにもこれらの点に十分注意してください。
大手メーカーなら上記のような心配はない
今回の記事を通しもっとも理解しておいていただきたいのは、「AV業界=海外の動画配信サイトに繋がっている=危険」ではないということです。
AV業界全体でこのような違法な動画の制作に加担する動きがあるわけではなく、むしろSODやDMMなどの名の知れた大手のメーカーは特に、日本の法律に従い良質なアダルト動画を制作し続けてきました。
AV女優が「セクシー女優」などと言われ、世間的に受け入れやすい職業になってきた背景には、法律を遵守してきたメーカーやプロダクションの存在があるからこそです。
アダルト動画を簡単に視聴できるようになってしまった現代で、生き残れなくなってしまった一部の弱小会社(メーカー・プロダクションなど)が無修正動画の海外配信などと言った愚行に走っただけのことです。
カリビアンコムの一件から、「AV女優になると逮捕されてしまう可能性がある」「AV出演は危険」というわけでは全くなく、違法な作品の制作に加担した結果として逮捕の危険性があるのだという正しい理解を持っておいてください。
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