女の子が憧れる職業のひとつとして「モデル」が挙げられます。モデルというと、一般的に「ファッションモデル」や「読者モデル」といった仕事を思い浮かべる人が少なくありません。しかし、それ以外にも「ブライダルモデル」「美術モデル」など、さまざまなタイプのモデルが存在しています。、「パーツモデル」と呼ばれる仕事をしている人たちもいます。ここでは、意外と知られていない「パーツモデル」の仕事内容や時給、仕事をするにあたってのメリット・デメリットなどをご紹介しましょう。
パーツモデルってどんな仕事？
そもそも、パーツモデルとはいったいどのような仕事なのでしょうか。一般的なファッションモデルと何が違うのか、よくわからない方も少なくないでしょう。まずは、パーツモデルの基本的なことを押さえておきましょう。
体の一部を活かしたモデル
一般的にモデルといえば、最新のファッションに身を包み、ショーなどで華々しい活躍をする方をイメージするのではないでしょうか。パーツモデルはこのようなモデルとは一線を画し、体の一部だけが求められます。体のどこのパーツが求められるかはクライアントによって異なりますが、手や足のほか、髪や背中、お尻、目などのパーツモデルもいます。手や足のパーツモデルのことを「手タレ」「足タレ」などと呼ぶこともあります。
パーツモデルが必要とされる理由
一般的に、モデルと呼ばれる人たちは、顔も含めた体全体をプロデュースしています。トータルバランスに優れた方が多く、全体のバランスに優れていることを誇りに思っている方も少なくありません。そうした理由もあり、「体の一部だけを撮影させてほしい」と依頼しても嫌がられてしまうことが多く、パーツ単体での撮影はとても難しいものなのです。
しかし、モデルに依頼できないからといって、完全な素人の体を撮影するわけにもいきません。多くの人が目にする媒体に利用するケースの場合、やはり一定のクオリティが求められます。こうした需要に応える形で、パーツ単体に特化したパーツモデルと呼ばれる人たちが誕生しました。
パーツモデルになれる体の部位
最も有名なのは「手」や「足」などですが、実際にはさまざまな部位のパーツモデルが求められています。ここでは、パーツモデルとして需要のある体の部位を紹介します。
手
「手」は、雑誌やポスター、パンフレットなどさまざまな媒体で需要があります。手を洗っているシーンや指輪をつけた状態、ピアノを弾いている指など、実に多彩なケースが考えられます。手の甲や手の平、指などの美しさが求められ、色の白さを重視されることも少なくありません。美しさを常に維持する必要があるので、日ごろから適切なハンドケアを行う必要があります。
脚（足）
こちらも需要の高い部位です。足の付け根からつま先までを求められることもあれば、太ももやふくらはぎだけ、足の甲だけといった依頼もあります。トータル的な足の美しさが求められるほか、長さを重視されることもよくあります。ショートパンツやミニスカートからスラリと伸びる美脚を、ポスターや雑誌などさまざまな媒体でよく目にしますね。美しさを維持するために、足の肌ケアはもちろん、むくみ対策などもしっかりしなくてはいけません。
髪
「髪」は、シャンプーやコンディショナーなどのプロモーションでよく用いられることがあります。美しい髪のイメージを必要とする企業がクライアントになることが多く、ポスターやウェブサイト、雑誌など多彩な媒体で活躍できます。キューティクルのある美しい髪の毛が求められるのはもちろん、クライアントによっては髪形を指定することも珍しくありません。ロングやショート、ボブなど、求められる長さや髪形は異なるので、さまざまな髪のパーツモデルが募集されています。
背中
エステサロンやマッサージ店の広告など、「背中」も需要の高い部位です。パンフレットやウェブサイトのトップページなどで、背中パーツモデルが採用されることも少なくありません。ニキビなどがあると難しいので、日ごろからケアは欠かせないでしょう。また、ムダ毛が多い場合には脱毛が必要なケースも考えられます。
目
「目」は、コスメや目薬、コンタクトレンズの広告などによく用いられています。パーツモデルは顔を出すことがまずありませんが、目の場合には自然と顔の一部が出てしまいます。透き通った瞳の美しさや、整った目元が求められることがほとんどです。また、クライアントによっては瞳の色を指定することもあるので、さまざまな目のパーツモデルが募集されています。
お尻
「お尻」の需要があるのは、下着やアダルトグッズ、セクシー分野における広告などが多いです。肌のきめ細かさはもちろん、形や大きさなどをクライアントから指定されることもあります。お尻の大きさや形に自信を持っている女性は少なく、お尻のパーツモデルをやっている人はそこまで多くありません。そのため、ある意味狙い目であると考えられます。お尻の美しさや形に自信のある方は、チャレンジしてみてはいかがでしょう。
私は足のパーツモデル経験があります。もともと足には自信があったので、強みを活かせるバイトでした。足が商売道具のようなものなので、普段からスキンケアやむくみなどには気をつけていましたね。それにしても、パーツモデルってこんなにたくさんあるんですね。
パーツモデルの給料はどれくらい？
パーツモデルが、どれくらい稼げるか知っている方は多くありません。所属するプロダクションによって給料は違いますが、時給換算すると2～3千円くらいの方が多く、日給1万円を超えるパーツモデルはあまりいません。カリスマと呼ばれ方なら2万円以上の日給も可能ですが、なかなか簡単ではないでしょう。
私がパーツモデルをしていたときは、日給で1万円を超えるような日もたまにありましたが、ほとんどが時給にして2千円に満たな程度でした。私の場合は本業ではなかったので問題ありませんでしたが、パーツモデルの仕事は毎日あるわけではないし、本業とするにはちょっと収入が不安定で不安がありますね。
パーツモデルになるには？
事務所に所属して活動します。書類選考や面接で合格すれば登録できます。登録後は研修やレッスンがあり、登録料やレッスン代で数十万円かかることもあるのでリサーチしておきましょう。「パーツモデル 地域名」で検索すれば、オーディション情報が見つかる可能性もありますのでアンテナを張っておくのがポイントです。
私はオーディションではなく、求人サイトで事務所を見つけました。ネットで検索したのですが、オーディションではなくパーツモデル募集広告が出ていました。私は運よく1社目で採用されましたが、人によっては何社受けてもなかなか受からないことがあるみたいですよ。
パーツモデルとして働くメリット・デメリット
どのような仕事でも、メリットがあればデメリットもあります。パーツモデルの仕事は、メリットばかりに目がいきがちですが、デメリットについてもしっかり理解しておかなければいけません。
メリット
一般的なモデルのように、顔を出して活動しなくていいのがひとつのメリットです。また、TVやCMに出演できる可能性があり、知識や経験を活かして書籍の執筆まで活動を広げることも可能です。
顔が出ない
モデルとして活躍してみたい願望はあるものの「顔をさらすのは嫌」といった方は意外と少なくありません。一般的なモデルの仕事では、どうしても顔をさらすことになりますが、パーツモデルは顔出し不要です。そのため、顔にはあまり自信がない方でも、パーツモデルなら活躍できることもあります。ファッションモデルや読者モデルには、整った顔立ちが求められることが多いですが、パーツモデルには必ずしもそうしたことは求められないのです。
TVやCMに出演できる
TV番組の中で、手や背中など体の一部が使われることはよくあります。再現VTRなどでもパーツモデルは活躍しています。また、さまざまなCMに出演できる機会に恵まれるのも、パーツモデルのメリットです。普通の仕事では、TVに出演できることはそうそうありません。パーツモデルになれば、TV番組やCMに出演し、自慢の体をいろいろな人に見てもらうことができます。
知識や経験を活かして書籍出版などの道も
パーツモデルの収入そのものは、それほど高くありません。カリスマと呼ばれるようなパーツモデルになれば話は別ですが、そのような地位を手に入れられるのはごく一部の限られた人だけです。ただし、パーツモデルとしての知識や経験を活かして大きな収益につなげることは可能です。パーツモデルは日ごろからスキンケアに余念がないので、そうした知識を発信することで収益を得られるかもしれません。専門的な知識を発信するウェブサイトを立ち上げたり、書籍を出版したりして稼ぐことも可能になってきます。
デメリット
「TVやCMに出られる」「幅広い活躍の可能性がある」などメリットがある一方、もちろんパーツモデルの仕事にもデメリットはあります。メリットよりも、デメリットの方をきちんと押さえておきましょう。
パーツの維持に大きな労力がかかる
手や足など一部分ではありますが、パーツモデルにとって体は大切な商売道具です。常に美しい状態をキープしなくてはならず、時間と手間、お金もたっぷりかけなくてはなりません。たとえば、手が荒れる可能性があるので、炊事など水仕事はほとんどできないという方も少なくありません。水仕事をする場合にも、ビニール手袋を着用するなど徹底した防御をしなくてはなりません。
もちろん、バランスのとれた食事をきちんととり睡眠時間も確保するなど、健康管理も徹底する必要があります。それ以外にも、日々の生活に適度な運動を取り入れるなど、パーツモデルは一般的なモデルと同等もしくはそれ以上の苦労があるのです。
仕事自体があまり多くない
パーツモデルが必要なシーンは限られています。事務所に所属していても、安定した仕事を得るのはなかなか難しく、生活に窮してしまうといったケースは少なくありません。所属する事務所に力があり、たくさん仕事をとることができていれば安定した収入が得られる可能性はあります。ただし、現実にはパーツモデルの仕事そのものが少ないので、パーツモデル以外の収入源を見つける必要性に迫られるかもしれません。
仕事が入っても赤字になることがある
パーツモデルは、商品でもある体の部位を常に美しい状態に保たなくてはなりません。こまめなスキンケアはもちろん、定期的にジムにも通い、体によい食べ物ばかりを口にしているモデルもいます。商品でもある自らの体を維持するために、多大な労力とお金が必要となってくるのです。。その結果、せっかく仕事をもらえてもトータルで見ると赤字になってしまうということが少なくありません。
私は赤字になったことはありませんが、気付いたらトントンくらいになったことはあります。ハンドクリームも高いものを使い、健康に気をつけて体によい食材ばかりを買っていました。「どうしてこんなにお金がないんだろう」と一度計算してみたら、収支がプラマイゼロで驚きましたね。
パーツモデルの仕事って危険なの？
ネットで検索すると「パーツモデルの仕事は危険」といった書き込みを目にしたことがあります。ここれからパーツモデルにチャレンジしてみたい方にとって、これは気になるところだと思います。実際、パーツモデルの仕事にはどんな危険が考えられるのでしょうか。
仕事自体は安全
パーツモデルは、たしかな需要があり、仕事自体は決して怪しいものではありません。一般的なモデルと違って顔を出さないので、「怪しい」「危険」といった憶測されることがあると考えられます。パーツモデルを採用している事務所もたくさんあり、ほとんどは健全な運営をしています。お尻や胸元などのパーツモデルとして活動している方から、そのようなイメージがついてしまった可能性もあります。
偽求人があるので注意
パーツモデルの仕事に興味を持つ女性は少なくありません。募集をかければたくさんの方が応募するので、そこを逆手にとって詐欺まがいのことをする悪質な業者も少なからずいます。たとえば、パーツモデルの求人を出し、応募してきた女性にまったく別の仕事を勧めるケースがあります。AVへの出演や風俗店で働くことを勧めるといった、悪質なケースもあるので注意してください。
事務所に応募するときは、事前に公式ホームページなどをチェックしましょう。健全な運営をしているまともなモデル事務所なら、所属しているモデルなども公開しているはずです。そもそも「ホームページがない」「会社の所在地などが記載されていない」といった事務所は少々不安です。また、あまりにも高額な報酬を提示しているような事務所も、注意が必要です。パーツモデルの報酬はそれほど高くありません。「日給2万円以上確実に稼げる」といった広告を掲載している場合、悪質な業者の可能性があります。
私も一度、偽求人に応募しかけたことがありました。電話口での対応がいかにも怪しかったので、応募を留まりました。あとから調べてみると、公式ホームページもない上に、ネット上にはさまざまな悪評が…。こういうこともあるので、これからパーツモデルを目指す方は注意してくださいね。
まとめ
自慢の部位を武器に稼げるパーツモデルは、女の子にとても人気のある仕事です。活躍の場はTVやCM、雑誌など多岐にわたり、とても華やかさを感じものです。ただし、「収入が不安定になりがち」「商品として美や健康を維持するのに費用や労力がかかる」など、デメリットといえるポイントもあります。パーツモデルという仕事の華やかな一面だけでなく、デメリットもきちんと理解しておきましょう。事務所のオーディション情報や、パーツモデルの求人情報はインターネットで見つけることもありますが、希望者が多いことを逆手にとった悪質な業者の「偽の求人広告」も少なくありません。悪質な事務所に応募してしまわないように、パーツモデルへの応募を検討している方は、事前にしっかりリサーチすることも忘れないでください。
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