「朝キャバ」や「昼キャバ」といった名前の募集広告を求人サイトで見かけるようになってから結構長い時間が経っています。
そもそもキャバクラに勤めたこともないような女の子なら、まったく想像もつかないような世界なのではないでしょうか。
しかしこの朝キャバと昼キャバは、そんなに若くない30代から40代の女性あるいは主婦を雇ってくれる水商売として注目を浴びています。
朝キャバ、昼キャバのお仕事とは一体どのようなものなのでしょうか。
そして実際、稼げるお仕事なのでしょうか。
本記事ですこし、調べてみたいと思います。
朝キャバ、昼キャバ登場の歴史から。
まずは朝キャバ、昼キャバが台頭(たいとう)して来た経緯から辿ってみましょう。
一般的なキャバクラの営業時間帯は、料金と共にこんな風に掲示されてます。
- 20:00から20:59まで…5,000円。
- 21:00から21:59まで…6,000円。
- 22:00からLastまで…7,000円。
この「Last」の意味をご存知でしょうか。
これは午前0時(夜中の24時)を意味します。
この時刻は、風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)によって定められた厳格なものです。
ちょっと条文を見てみましょう。
・第十三条 風俗営業者は、深夜(午前零時から午前六時までの時間をいう。以下同じ。)においては、その営業を営んではならない。…
こうしてキャバクラの営業は夜中の24時以降は禁止されています。
しかしキャバクラの経営者の視点で言えば、「ケチケチすんなよ…」というのが本音でしょう。
繁華街は夜になればなるほど盛り上がるわけですから。
だから当初は、こっそり午前0時を回っても営業を続けていたお店が多数ありました。
しかし風営法十三条は、ザル(効力無い法律)ではありませんでした。
実際に取り締まりが行われたのです。
このため、経営者側は泣く泣く、ゴールデンタイム(午前0時から午前6時)の営業をあきらめました。
そしてそれを取り返すための苦肉の策として編み出されたのが、朝キャバと昼キャバなのです。
こういった経緯から朝キャバと昼キャバそれぞれの営業時間帯は当然、1日から深夜帯(午前0時から午前6時)と通常営業時間(午後8時から深夜12時)を差し引いた時間になります。
- 朝キャバ…午前6時から午前12時(正午)まで。
- 昼キャバ…午後0時(正午)から午後8時(20:00)まで。
こうして朝キャバと昼キャバは誕生しました。
客層は?
キャバクラが風営法の煽りを喰らって稼げる深夜帯に営業できなくなってしまった…。
その代償が、朝キャバと昼キャバです。
夕方5時から夜の8時くらいの時間帯はよしとしても、しかし朝キャバと昼キャバに通うひとなんて居るのでしょうか。
例えば、朝6時や夕方5時にキャバクラで酒を飲もうなんて思うひとが居るのでしょうか。
朝キャバだろうと昼キャバだろうと、やっていることはキャバクラそのものです。
女性が男性客にマンツーでついてお酒を飲む。
これが、朝キャバと昼キャバの業態です。
しかしみんなが仕事をしている時間帯に、誰がそんなサービスを受けたいと思うのでしょうか。
そういった客として思いつくのは「深夜帯に働く男性」です。
キャバクラは24時間営業禁止ですが、それ以外で24時間営業をしているお店などはたくさんあります。
居酒屋しかり、カラオケボックスしかり、ドンキ○ーテしかり…。
そういったところで深夜頑張っている、いわば昼夜逆転のひとたちが仕事あがりに朝キャバを利用するわけです。
朝キャバや昼キャバを楽しみに頑張っているタクシードライバーなんてのも考えられるでしょう。
時給は?
以上のように考えれば、朝キャバと昼キャバが営業として立派に成立することも合点が行きます。
ならば実際にそこで働くことを考えてみましょう。
例えば、肝心の時給はどうなっているのでしょうか。
募集広告を調べてみると相場は、時給1,500円から時給6,000円までのようで結構波があります。
しかし、この最高時給にはすこし眉唾なところがありました。
意外なことに時給6,000円のお店は、夜はスナックとして営業しているところだったのです。
しかも男性客単価は夜営業でも1時間5,000円です。
これを見る限り時給6,000円は「盛っている」募集広告の悪い予感がします。
六本木や新宿の高級キャバクラの昼営業だったら、高時給も可能でしょうが調べた範囲では時給4,000円が精いっぱいでした。
朝キャバと昼キャバの募集広告も「盛っている」かどうか注意しましょう。
そして時給3,000円以下くらいで大人しめに見積もっておくべきではないでしょうか。
でも30代40代、主婦にはありがたい求人。
正直、朝キャバと昼キャバはそんなに時給が高くありません。
生まれた経緯がそもそもキャバクラのメインの営業時間帯を補うためのものですから、仕方が無いと言えばそうかも知れません。
20代のキャバ嬢も本気で稼ぐためならメインの営業時間帯である夜を目指します。
これは時給もひとつの理由ですが他に、同伴やアフターといった夜の時間帯には付きものの営業チャンスが無いからです。
要するに朝キャバと昼キャバは、キャバクラの2軍の位置づけなのです。
しかしながら、それだからこその良い所もあります。
すこしその特徴を見てみましょう。
30代40代、主婦層でも採用してくれる。
いま述べたように、20代のバリバリのキャバ嬢は夜の営業時間帯で稼ごうとします。
結果として、朝キャバと昼キャバはそれ以上の年代の女性にとっての求人の穴場になります。
時間帯的に主婦でも働けるのも魅力的です。
だから、短時間で少し稼ぎたいという大人の女性には便利な求人のはずです。
あんまりガツガツしていない。
朝キャバ昼キャバには、2軍ならではのゆったりムードがあります。
特に主婦層なども出勤しているので、競争というよりどちらかというと協力に近い雰囲気が生まれます。
だから、競争や対立を好まない女性にはありがたい求人だとも言えるでしょう。
ただ、お酒は飲まないといけない。
ただ営業スタイルはキャバクラそのものですから、朝であろうが昼であろうがお酒を飲まなければなりません。
もちろんウーロン茶対応も可能でしょうが、バックやお店の売上への貢献を考えると、男性客にすすめられたお酒を断ることはできないでしょう。
このあたりの覚悟は必要です。
まとめ。
いかがだったでしょうか。
「朝キャバ・昼キャバは30代・40代の主婦でも働けて稼げる」というお題で記事を書かせて頂きました。
朝キャバと昼キャバが30代40代の女性でも働けるのは、偏にそれが2軍のキャバクラだからです。
風営法対策として、各お店が苦肉の策として編み出したのが朝キャバと昼キャバでした。
2軍だから、1軍の本営業時間帯のバリバリ現役キャバ嬢ほど稼ぐことはできません。
しかしそう比較するのではなく、普通の仕事と比べてみれば朝キャバと昼キャバは立派に稼げるお仕事です。
時給は3,000円以下とあまり高望みをしないほうがベストでしょう。
主婦の家計の足しの位置づけで働くのが良いと思われます。
物足りないかも知れませんが、朝キャバと昼キャバ独特のゆったりムードは夜には無いものです。
多くのキャバクラ嬢が同僚とのいがみ合いで病んで行ってしまいます。
その点、同伴やアフターは無いけれどもみんなで和気あいあいとできる朝キャバと昼キャバは、長い目で見ればゆったりと稼げる魅力的なお仕事だと言えるのではないでしょうか。
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