キャバクラは一部のお客とは疑似恋愛で成り立っているところともいえます。
そのためキャバ嬢も自分に気があると勘違いしたお客がストーカーになってキャバ嬢が被害にあったというケースは決して珍しくはありません。
今回は実際にあった例をあげながら、キャバクラで働いててストーカーの被害に遭わないためにはどうすべきか、対処の方法などを検討していきます。
ストーカーとは?
ストーカーとは英語でいう「Stalking」で特定の人に付きまとうこと、「Stalker」はそのつきまとう人のことをいいます。
語源は英語にある「Stalk」という動詞で人や動物を捕えたり害を加えるために忍び寄るという意味があります。
もともとのストーカーの行為は著名人を対象にしたもので、いわゆる「追っかけ」が最初でした。
その追っかけが過激になって暴力行為に発展したり、殺害にまで至ってしまったケースがあります。
ただつきまとっている本人にはストーカー行為をしている自覚がないことがほとんどだそうです。
ストーカーの歴史
アメリカ合衆国では1980年代に起きたリチャード・ファーレ事件(同僚の女性をストーキングして最終的には7人を殺害した)を機に1990年にカルフォルニア州でストーキング防止法が成立します。
日本ではかつてストーカーのつきまとい行為があっても警察の民事不介入の原則により取り締まりができませんでした。
その後ストーカー行為が殺人にまで発展してしまった桶川ストーカー殺人事件(女子大生が元交際相手の男性を中心としたグループに嫌がらせ行為を受けた後高崎線桶川駅前で殺害された事件)を機に2000年にストーカー規制法が制定されます。
ストーカーの心理による分類
一口にストーカーといってもつきまとう者の心理によっていくつかのタイプに分類されます。
ここでは精神科医の福島章により分類された5つのタイプをご紹介します。
精神病系
精神病からくる恋愛妄想、関係妄想によってストーキングを行う。
現実には直接関係のないスターにつきまとうタイプが多い。
パラノイド系
自身とは無関係の相手に対する妄想によりストーキングを行うが、妄想の部分以外は正常なタイプ。
ボーダーライン系
高機能型境界性人格障害者がストーカーになるタイプで、外交的・社交的で人間関係が濃く相手を支配しようとする傾向にある。
ナルシスト系
自己愛性人格障害者がストーカーになるタイプ。
自信及び自負心が強く拒絶した相手にストーキングするケースが多い。
サイコパス系
相手が自分を好きだと思い込む被愛妄想を持つ反社会的人格障害者が自分の感情と欲望を相手に一方的に押し付けるタイプ。
実際にあったストーカー例
警視庁の統計による過去にあったストーカーの行為をあげてみます。
・つきまとい・待ち伏せなど51.3%
・監視していると告げる行為7.4%
・面会・交際の要求52.2%
・乱暴な言動20.7%
・無言電話・連続電話30%
・汚物等の送付0.9%
・名誉を害する行為5.3%
・性的羞恥心を害する行為6.7%
1999年から2016年までにストーカーから殺人事件まで発展したケースは殺人未遂が1件、ストーカー殺人事件は10件発生しています。
キャバクラでストーカーになりやすいお客は?
キャバクラは様ざまなタイプのお客が訪れますが、お客の目的として一番多いのが癒しを求めに行くケースで、それと同じくらいの割合で単純に楽しんでストレスを発散させるために行くケースです。
ついでキャバ嬢に話を聞いてほしいというケースで、少数でもキャバ嬢とHがしたいからとキャバ嬢を落とす目的で通うお客もいます。
そして一番ストーカーになりやすいタイプがキャバ嬢と付き合いたくて通うタイプです。
このタイプの特徴としては恋愛経験が少ない・友達がいなくていつも一人で来る・店では口数が少なく静かなお客でいることが多いなどがあげられます。
キャバ嬢がストーカーにあわないために
ストーカーになる人というのは外からは見えませんが、精神病気質で大体は妄想癖があります。
ですからキャバ嬢サイドの対策としては普段からストーカーになる要素を持っているお客を見抜くことが第一です。
前述のお客のタイプの中でキャバ嬢と付き合いたくて通ってくるお客は要注意です。
そういうお客には勘違いさせてしまうような言動は特に控える必要があります。
経済的余裕があってプレゼントするのが好きなお客でない限り、付き合い目的で通ってくるお客からのプレゼントはできる限り受け取らないようにしたほうが無難です。
とにかく相手が勘違いしたり勝手な妄想を抱くような材料を与えないことを常にこころがけていてください。
何といってもストーカーになる前は相手はお客の一人ですから、たとえストーカー予備軍だったとしても邪険に扱ったりはできません。
とりあえずは細心の注意を払って普通に接客営業をしていきながら、尚且つ公私の線引きを明確にしておくことが肝心です。
ストーカーは勘違い→勝手な思い込み→妄想→相手への執着から逃れられなくなって行為に発展していきます。
最初に間違った期待を抱かせないこと、もし最初の段階でお客から何か病的で危険なサインを読み取ったら個人的な要求は無視して最悪そのお客を失う覚悟で、自分はプライベートでは付き合えないことをはっきり告げることです。
その段階でしたら相手はまだストーカーになることなく引き下がることができます。
キャバ嬢がストーカーされてしまったら
それでも不運にもお客にストーキングされて何らかの被害を被ってしまった場合の対処法をお教えします。
まず相手は特定のキャバ嬢に執着していますので自宅を突き止めるなどお手のものです。
警察はストーカー被害が特定されないと動いてくれませんので、とにかくストーカー被害の証拠をできるだけ集めることです。
電話でのやりとりがあればすべて録音しておき、メールやメッセージなども受け取ったら必ず保存しておきましょう。
具体的な対策としては、勤務している店に話して行き帰りに用心棒をつけてもらう・裁判所に申立て面談禁止の仮処分を出してもらう・警察に訴えて刑事手続きでの捜査を依頼するなどがありますが、いずれにせよ一人では行動せずに専門家の助けを借りて行う方がベターです。
弁護士に依頼するのに役に立つのが日本司法支援センター 法テラスです。
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まとめ
キャバ嬢は仕事柄一般女性よりもストーカー被害に遭いやすい職場環境にあります。
過去の事例からも見られるようにもしストーカーのケースにあっても被害を放置したり、また自分一人で対処したりするとより相手を刺激することにもなりかねません。
とにかく絶対に一人で対処せずに専門家の力を借りることです。
ストーカー行為をしている人間はそのときはもう普通の神経ではないのです。
ですから万が一ストーカー被害にあった場合は躊躇せずに専門家の力を借りることをおすすめします。
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