華やかな衣装をまとったサーキットの華、レースクイーン。
可憐なドレスをまとったキャバクラ嬢。
ファッションモデルほどストイックな生活をしなくても良い、女優ほど容姿端麗じゃなくても大丈夫。
学歴も必要もなく、人気を博せばそれのみでスターダムにのし上がれます。
そんな理由から、どちらも若い世代にとって憧れの職業になっています。
レースクイーンの成り立ち
ここではレースクイーンについて深く掘り下げていきます。
レースクイーンとはモータースポーツ界隈でチーム（企業名）ロゴが入ったコスチュームを着たマスコットガールの呼び名です。
以前は表彰式やセレモニーの時、シャンパンやトロフィーを用意するアシスタントの女性を指して使われていた言葉だったのですが、近年ではサーキットで企業ロゴの入った水着を着用している女の子全般に対して使われる言葉になっています。
実はレースクイーンの発祥は日本で、８０年代の鈴鹿８耐が初めてということです。
それまで男の世界だったサーキットにきわどいコスチュームの女の子が続々と現れたことでマスコミが大きく扱い、日本に一大モーダースポーツブームを生み出しました。
レースクイーンとは和製英語なので欧米ではグリッドガール、パドックガールなどと呼ばれています。
キャバクラ嬢はレースクイーンとして働ける？
キャバ嬢がレースクイーンをやれるかどうか？
結論から言うとできます。
「身長１６０ｃｍ以上あって顔が普通なら誰でも働けるよ」
経験者のAさんはそう語ります。
彼女はレースクイーンの片手間キャバ嬢をしていました。
レースといってもF1のような世界的イベントから半アマチュア集団のプライベーターが競うローカルレースまで様々です。
トップクラスのチームであれば年齢やスタイルなど、厳しい制限を設けていますが、カテゴリが下にいけばいくほど平凡な女の子でもレースクイーンをやっていたりするものです。
例えるなら、キャバクラにも都内と地方では差があるようなもので、制限やノルマの緩い地方ならば平均的な女の子でも十分つとまります。
なによりキャバ嬢として働いてる女性達は、愛嬌があってコミュニケーションに長けています。
その上スタイルもそれなりであれば、レースクイーンとしての需要はかなり高いといえるでしょう。
ただし、レースウィークである週末を欠勤しなければならないため、キャバ嬢が稼ぎ時の週末を犠牲にしなければいけません。
レースクイーンの仕事とは
レースクイーンの仕事は主にチームのPR活動とサポートです。
ギャルオンステージと呼ばれるブースでのレーシングチームの紹介トークや、テレビカメラの取材を担当します。
また、チームクルーが整備をしているピットの最前列に立ち、大勢のカメラ小僧の前で笑顔をふりまくことも仕事の一つです。
立って手を振るだけで沢山のフラッシュが焚かれます。
撮影してもらった彼女たちのコスチュームには企業のロゴが入っています。
そのためレースクイーンは写真を撮ってもらうだけで宣伝になるのです。
またグリッドではドライバーたちのサポート役もします。
彼女たちは傘を持っています。
これは雨避けというより、日傘の役割を担います。
炎天下のサーキットの路面温度は６０度、体感気温は４０度近くまで上昇します。
その上ドライバー達は分厚いレーシングスーツを着用していますので、暑さと戦っているのです。
彼らが熱中症にならないように、傘で日差しがあたらないよう影をつくってあげるのです。
レースクイーンになる方法
正式にレースクイーンとして働くためにはキャンギャルやコンパニオン同様事務所に入らなければいけません。
一般の職業のように事務所はモデルを募集しているのでレースクイーン専属事務所のオーディションに応募してみましょう。
事務所によっては年齢制限を設けているところがありますので、若い方が有利ですが現役キャバ嬢として働けるくらいの年齢なら大丈夫です。
またファンの多いイベコンやキャバ嬢になると業界関係者からアプローチしてきます。
自らオーディションを受けなくても向こうからモデル・キャンギャル・レースクイーンとしてスカウトしてくれることもあるでしょう。
レースクイーンのメリットデメリット
待遇の悪さ
レースクイーンは華やかな仕事で、意外と簡単に働けることはわかりました。
ですが、この職業は苦難も多いです。
理想だけでは食べていけません。
彼女たちのギャラはトップチームでおよそ７万円、下は８０００円程度です。
タレントを起用するようなケース、トップモデルを起用する人気チームのギャラは青天井かもしれませんが、平均給与は低いのが実情です。
バブルの頃は企業に活気がありました。
そのため企業がモータースポーツ界に多額の広告費を投じていたので、レースクイーンもトップモデルがつとめることが多かったのです。
しかし最近は広告主が減り、レースクイーンのギャラも減って明らかにモデルの質も落ちています。
実質的に単発派遣バイトのような待遇で働いてる女の子ばかりです。
そのため週末のレースウィーク以外は、一般の職業や、キャバクラなどの水商売で片手間バイトをする女の子ばかりになっています。
肉体的疲労
レースクイーンはかなり肉体を酷使します。
- 露出度の高い衣装を着用するため、身体のケアに普段から気を使わないといけい。
- 体調が悪くても休めないので体調管理に気をつけなければいけない。
- 炎天下のサーキットでヒールで長時間立ち続けていなくてはいけない。
このように、身体への負担が大きい職業です。
難しいのがファッションモデルのように痩せすぎてはいけないところです。
ある程度肉感的なグラビア体型を男性は好むので、レースクイーンはガリガリになりすぎず、太りすぎてもいけない体型を維持しないといけません。
それによって肉をつけすぎた翌日下剤を使って無理やりお腹を引っ込める、健康的といえないレースクイーンもいるほどです。
キャバクラと一番違う点は、炎天下でヒールを履いた状態で長時間立ち続けないといけない点でしょう。
レースクイーンは体力をかなり消耗する職業なのです。
嫌なファンとの交流
サーキットでは大勢の人間の前できわどいコスチュームを着用させられます。
衣装の接写目的で来場するカメラ小僧がしつこく追いかけてきます。
レースクイーンはチームの顔ですので、そのようなファンにも笑顔でこたえなくてはいけません。
芸能人などと違い、レースクイーンとファンは距離が近いので、気持ちの悪いファンにもきちんと対応しなければなりません。
これが嫌でレースクイーンを辞めていく女の子も多いです。
芸能界へのステップアップ
もちろんレースクイーンならではの長所もあります。
- アイドル顔負けのファンができる
- チヤホヤしてもらえる
- 写真集を発売できる
- 芸能界デビューを狙える
この業種はメディアに取り上げられやすく、自分の固定ファンができるので、アイドル扱いされとにかくチヤホヤしてもらえます。
トップレースクイーンともなると、写真集を発売できたり、成績上位のトップチームから引き抜かれたりするほどです。
自分を中心に大勢の人間がカメラを向けてくる快感はキャバクラでは味わえない快感です。
多くの女の子はステージに立ってスポットライトを浴びる快感に病みつきになります。
また芸能関係者からスカウトされやすい業種でもあります。
岡本夏生さんやZARDボーカルの坂井泉水さんなどはレースクイーンをすることで一躍有名人となりました。
近年だと吉岡美穂さんや森下千里さんなどがレースクイーンから華々しく芸能界デビューをしています。
芸能界へのステップアップとしてまずは身近なキャンギャルやレースクイーンのオーディションを受ける野心家も多いのです。
まとめ
レースクイーンは配属されたレースのカテゴリが有名なほど、チームの広告主が巨大であるほどメディアの扱いと待遇が良くなります。
そのため配属先によってある程度レースクイーンとしての質に差が出てしまいます。
もしキャバ嬢からレースクイーンを志すのであれば、広告主として大レースに出資してそうなお客さんにアプローチしてみると面白いかもしれませんね。
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