「風俗嬢として働くのであれば、自分で確定申告をしなければならない」と聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?
日本ではお金を稼いでいる人は、原則税金を支払わないければなりません。これは風俗嬢も同様です。風俗のお仕事をして収入を得ているのであれば、所得税や県民税などを支払う必要があります。
そこで今回は、風俗嬢が確定申告するために必要なことや、確定申告をしないとどうなってしまうかを解説していきます。
風俗嬢で確定申告をしようか迷っている人や、確定申告したいけどどうすればいいかわからない人は、ぜひ読んでみてください。
そもそも確定申告とは
まずはそもそも確定申告とはなにか、基本的なことについて解説します。申告をしないと脱税をしていることになる場合がほとんどなので注意しましょう。


自分が支払うべき税金を計算して申告する作業
確定申告とは、収入をベースにして課税額を決め申告することです。課税額については自分で計算して申告する必要があります。「所得税及び復興特別所得税の確定申告書」と呼ばれる書類が送られてくるので、こちらに必要事項を記入し、税務署に提出します。書類が送られてこない場合でも税務署に行けば取得できますし、ホームページからのダウンロードも可能です。さらにパソコンで必要事項を入力し、プリントアウトして税務署に提出する方法もあります。
毎年2月中旬~3月中旬に申告する
確定申告の対象になるのは、申告する前年の1月1日から12月31日までの所得についてです。確定申告の期間は例年決められていて、2月中旬から3月中旬の間です。申告と所得税の納税の期限は一緒なので、早めに申告するのをおすすめします。
ただ、2020年については新型コロナウイルスの感染拡大もあり、延長が認められています。この場合、「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と呼ばれる書類に必要事項を記入しなければなりません。ちなみに確定申告をするのは、皆さんが住んでいる地域を統括している税務署です。平日は連日受け付けているので、空いてる日に手続きしておきましょう。
確定申告をしないと脱税になる
お金を稼いでいるのであれば、確定申告をすることで納税額を確定させる必要があります。もし申告しないと、脱税を疑われる可能性があるからです。「1人くらい確定申告しなくてもバレないのでは?」と思う人は多いですが、そんなことはありません。税務署の調査能力は非常に優秀で、脱税が見つかる確率は高いでしょう。脱税や申告漏れは立派な税法違反です。税法違反の場合、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金となります。場合によっては懲役刑を食らってしまう恐れもありますから、きちんと確定申告して納税しなければなりません。
私は毎年申告しているけれども、申告を怠ると大変みたいだね。特に有名になったのは、2019年に某お笑い芸人が3年間無申告だったヤツだよね。税金を何千万も余計に支払ったし、芸能界からも干されちゃったから、ペナルティはかなりヤバいよ。
風俗嬢も確定申告が必要?
風俗嬢は、確定申告が必要です。これは風俗嬢が個人事業主扱いで、お店の方で税務処理を行っていないからです。ただし一部風俗嬢の中には確定申告の必要ないケースもあります。確定申告が必要のない事例についても合わせて紹介していきます。
個人事業主なので原則必要
風俗嬢はお店に在籍していますが、店舗の社員として働くわけではありません。実態は、店舗のスペースを借りてそこでビジネスしている個人事業主・フリーランスの扱いです。そのためお店との間で雇用関係はないので、給料も源泉徴収されていないのがほとんどです。つまりお店が税金分を給料から差し引きしていないので、自分で税務署に行って確定申告しなければなりません。自営業者と同じ立場であることを理解しておきましょう。
確定申告が必要ないケース
少数派ながら、風俗所でも確定申告をしなくてもいいケースがあります。例えば一定の金額に所得が達していない、給与所得扱いで源泉徴収されている場合などが該当します。
年収が規定の額を下回っている
確定申告が必要ない風俗嬢として、年収が一定金額に達していない事例が考えられます。年間所得が38万円以下、もしくは副業所得が20万円以下の方であれば、確定申告は不要です。基礎控除として38万円が認められているので、38万円以下なら所得はゼロになり、課税対象ではないからです。ただし定期的に風俗の仕事をしている女の子で、年間所得が20万円とか38万円に達しない人はまずいないでしょう。そのためほとんどの風俗嬢が確定申告対象となります。
給与所得形態で働いている
個人事業主ではなく、お店に雇用されていて、源泉徴収された給料をもらっている、さらに年末調整も行っているのであれば、確定申告はしなくて良いです。ただほとんどの風俗店で、源泉徴収なしの報酬形態をとっているでしょう。もし心配であれば、お店のスタッフに源泉徴収などを行っているか、確認をとりましょう。
源泉徴収されている場合は一部が還付されることも
源泉徴収税を簡単に解説すると、所得税をまとめて支払わなくても済むように先に引かれる税金のことです。
その差し引いたお金はお店が当人に成り代わって税務署に納めているわけです。もし源泉徴収されている場合、確定申告は不要です。ただ確定申告をすれば、税金の一部が還付される可能性があります。もし源泉徴収されているのであれば、給与明細は保管しておきましょう。そうすれば、自分がどの程度税金を納めているか、実態を把握できるからです。

私も源泉徴収しているお店で働いたことがあるけれども、確定申告したら何万円もお金が返ってきたよ。申告の手続きをするときには、お店に支払調書という書類を作ってもらうようにお願いすると余計な手間が省けておすすめだね。
風俗嬢のための確定申告の方法
多くの風俗嬢は、確定申告の手続きを税務署でしなければならないと紹介しました。確定申告を自分でやるとなると、不安に思うことは多いかもしれません。しかし流れがわかれば、それほど難しくはないでしょう。ここからは確定申告の方法について解説します。
準備するもの
確定申告するためには申告書のほかに、必要書類を準備しなければなりません。どれくらい稼いだかを申告するために、自分の所得や経費の支払いに関する証拠を準備する必要があります。領収書などは捨てずに保管しておくと申告の時に経費として使えるものもあります。
1年間の収入の記録
確定申告は1月1日から12月31日までの1年間の所得をベースに税額を決めます。そこで収入の記録をつけておきましょう。風俗嬢は日払いかつ現金払いの支払い方法が多数を占めます。記録が通帳などに残らないケースが多いので、こまめに帳簿をつけておきましょう。中には風俗以外の仕事をしていて、所得を得ている人も確定申告の対象になる可能性があります。こちらのお金の入りも記録に残しておきましょう。
1年間の経費の記録(領収書)
所得とはその人の年間の収入から経費を差し引いたものです。仕事をするために必要なものを購入した場合、経費として計上できる可能性があります。もし経費を使って必要なものを購入したのであれば、その領収書も保管しておきましょう。
風俗嬢の場合、仕事で身につける衣装や下着などの衣服代、名刺の作成費、メイクするための化粧品、お店に行くときの電車賃やバス代、タクシー代などが該当します。さらに定期的に性病検査をしているのであれば、検査費用も含まれる場合があります。メールやLINEで営業活動をしている場合、携帯電話やプロバイダー代も経費として計上できる可能性が高いでしょう。
保険の計算
社会保険料や生命保険料についても控除の対象です。よって保険料をいくら支払ったのか、計算しておきましょう。年に1度はがきが送られてきますし、市役所や年金事務所に連絡すれば控除証明書を発行し郵送してもらえます。
その他には医療費控除が適用される場合もあります。医療費控除は年間の医療費が10万円を超えた人が対象です。ちなみに年収が200万円未満だった場合、所得の5%を超えると医療費控除が適用されます。保険適用外の治療についても対象になります。
帳簿
確定申告をする際には、帳簿の記帳が必要です。記帳の方式には単式簿記と複式簿記の2種類があります。単式簿記とは家計簿をつけるようなシンプルな方法です。一方複式簿記は、借方と貸方の両方に分けて行う基調のスタイルで、単式簿記と比較すると複雑になります。単式簿記の場合、10万円控除の白色申告で手続きします。一方複式簿記の場合、税務署に申請すれば青色申告も可能です。青色申告になると65万円控除されるので、より大きな節税効果が期待できます。
申告書の作成
必要な書類を準備できたら、確定申告書を作成しましょう。確定申告書は税務署で受け取るか、インターネットからダウンロードすることで取得できます。最近ではe-Taxと言ってインターネットから提出する方法もあります。ただしe-Taxを利用するためにはマイナンバーカードやICカードリーダーなどが必要になるので注意が必要です。税務署には確定申告の作成会場があるので、その場で作成することも可能です。税務署には職員がいて、作成のやり方がわからないと質問できます。そのため初めての方は直接税務署に行くのがおすすめです。
提出
確定申告書を作成できたら、税務署に提出して完了です。申告書の内容に問題なければ、「収受」のハンコを押してもらって受理されます。確定申告書は1部は税務署に提出し、もう1部は控えとして戻されます。e-Taxであれば、インターネットで提出する形なので税務署にわざわざ行く必要はありません。

私は確定申告書の作成のやり方に自信がなくて、何度か税務署に行ったことがあるよ。もし税務署で作成するなら、2月中に行くのがおすすめ。。期限ぎりぎりは特に混むから、早めに済ませたほうがいいよ。ひどい時は1時間近く待たされることもあるよ。
私は確定申告書の作成のやり方に自信がなくて、何度か税務署に行ったことがあるよ。もし税務署で作成するなら、2月中に行くのがおすすめ。。期限ぎりぎりは特に混むから、早めに済ませたほうがいいよ。ひどい時は1時間近く待たされることもあるよ。
実際のところ風俗嬢って確定申告してるの?
風俗嬢はきちんと確定申告しているかというと、実際は違います。なぜ申告しないのか調査した結果、風俗という世界の特殊な事情が透けて見えてきました。
約9割の風俗嬢は無申告
確定申告をきちんと行っているのは少数派で、大半の風俗嬢は無申告です。これは国税庁の調査でも明確に出ています。国税庁のホームページには「申告漏れ金額」に関するデータが掲載されています。平成20年のデータを見てみると、風俗業の不正発見率は87%に達しました。つまり9割近くの風俗嬢は無申告であることがわかります。
役所は風俗嬢の正確な収入を判断できない
無申告でも税務署から調査が入ることは少ないでしょう。その理由はいくつかありますが、大きな理由としては税務署が収入を判断できないからです。記録が残っていればそこから収入額が探れますが、多くのお店は収入に関する記録を意図的に残さないようにしています。日払いで給与明細も手書きであれば、あとから把握はできません。タイムカードもないですし、お店がどの風俗嬢にどれだけ支払ったかたどりようがありません。そもそも風俗嬢自身、自分の稼ぎをよくわかっていないことも多いですし、これでは税務署もお手上げです。
また風俗店の姿勢も原因の一つといわれています。風俗店の多くが売上帳簿をきちんと残していません。さらに店名や登記場所もコロコロ変えているので、実態がつかめません。風俗嬢がお金をもらっている店がはっきりしないので、お金の流れが把握できなくなっています。
ただしバレるケースもある
多くの風俗嬢が無申告ですが、バレるケースはもちろんあります。バレる事例として多いのが第三者からのタレコミ、銀行の預金残高が急に増えた、高額なものを購入した経歴から怪しまれるケースが挙げられます。
タレコミ
バレるケースで最も多いのが、タレコミです。特に自分の稼いだ収入額を言いふらしている風俗嬢は危険です。周囲の中にはそのような自慢をされて不快に思う人がいる場合があります。そのような人がその女の子を陥れようとして垂れ込むケースが特に多くなります。同僚のほかにも近所の人、元カレといったケースもあるようです。国税庁のホームページでは、密告用のページを作ってタレコミを募っていますから注意しましょう。
高額な商品の購入
高額な商品の購入の頻度が急に多くなると、税務署に目をつけられます。具体的にはマイホームを購入した後で、高級外車を購入するケースです。高級ブランドの腕時計や宝石を購入している場合でも税務署は関心を寄せます。特に高価な買い物をする際、現金ではなくクレジットカードを利用する人も多いでしょう。クレジットカードを利用すれば、お金の流れがわかってしまいます。支出額も把握できるので、決算額が大きくなれば、収入額もバレてしまうわけです。
現金で購入すれば記録は残らないかもしれません。しかし急に身なりが良くなれば、周囲の人の間で噂になって、結果的に税務署の耳に届く可能性が出てきます。羽振りが良くなると税務署に目をつけられる危険性があるため注意しましょう。
銀行預金残高の変化
銀行の預金残高が短期間で急に大きくなった場合、税務署に目をつけられやすくなります。例えば普通に仕事をしている人の銀行口座で1年間に1000万円が増えることはまずありえません。普通では考えられないお金の増え方をしていれば、自然と目を付けられてしまいます。今ではすべての銀行の預金口座はAIを使って監視されています。おかしなお金の動きがあれば、すぐに察知されると思ったほうがいいでしょう。
中には銀行預金残高が多くなれば、仮想通貨や株式、FXなどに投資をして証券会社などにお金を回す人もいるでしょう。しかしこのような別口座とのお金のやり取りが活発になれば、国税から目をつけられる可能性は高いです。もし国税局から口座の開示請求が行われれば、どの業者も断ることはできません。その結果、お金の動きや収入がバレてしまうパターンもあります。
都度しっかり払っておけば後々大きなトラブルに発展しないで済む
もし申告していないことがバレて、本来支払うべき税金を支払っていないと、追徴課税される可能性が出てきます。通常の税金であれば、一定期間支払いまで猶予があります。しかし追徴課税の場合、すぐに納付しなければなりません。しかも現金での一括納付が原則です。手持ちがなくても分割による支払いは受け付けてもらえません。支払うことができなければ、その人の資産を担保として差し押さえられる、最悪自己破産しなければならない状況も考えられます。このような厄介な問題に発展する恐れがあるので、確定申告をして、期限通りに納税するのがおすすめです。

私の友達がずっと確定申告していなくて、ある時税務署が来たね。それで結局無申告加算税やらなんやらで、普通に払うべき税金よりもかなりの金額持っていかれたってグチってたよ。やっぱり確定申告をして、きちんと税金を納めるべきだよね。
確定申告に関するよくある疑問
確定申告しなければならないけど、それによって家族や勤務先に風俗での仕事がばれてしまうのではないかと不安に感じている人もいるでしょう。ここでは確定申告にまつわる、よくある疑問についてまとめました。気になる項目があればチェックしてください。
本業の会社に風俗で働いていることがバレない?
風俗嬢は、お小遣い稼ぎのために副業で勤務している人も多いです。副業として風俗嬢をしている場合、確定申告することによって会社にバレてしまう不安を感じる人もいるでしょう。しかし確定申告したからといって、会社にバレることはありません。確定申告すると住民税が不自然に増えますが、住民税の納付書は自宅に送付してもらうことも可能です。確定申告書の住民税に関する事項があるので、自宅送付を選択すれば、会社に知られるようなこともないでしょう。
親に風俗で働いていることがバレる可能性はある?
確定申告をすることで親に風俗の仕事がバレてしまうのではないか、と不安を抱く人は多いです。親バレについてはケースバイケースになります。もし親の扶養家族に入っている場合、自分に一定の所得があれば、扶養から出ないといけません。何かしらの所得のあることは親に知られ、「何で稼いでいるのか?」と聞かれる可能性があります。ここで自分から風俗の仕事をしていることを言わない限り、親にバレることはないでしょう。というのも住民税や健康保険の通知書には、職業を書く欄がないからです。もし親の扶養家族に入っていて、これから風俗嬢になろうと思っている人は注意しましょう。
確定申告を税理士に依頼した場合の費用相場は?
確定申告書の書類は自分で作成することも可能です。しかし自分で行うとなると手間がかかり、本業に支障をきたす恐れが出てきます。もし自分で行う自信がないのであれば、税理士にお願いするのも一つの方法です。確定申告書の作成だけであれば、数万円程度が相場です。さらに青色申告で確定申告するために仕分けから税理士にお願いするとなると、追加で費用は掛かります。費用は売り上げに応じて変わってきます。500万円未満なら10万円、1000万円未満なら15万円、それ以上は20万円といたところが相場です。

私も前は自分で作成していたけれども、結構大変だよ。数日は帳簿や確定申告書の作成と書類の準備などで終わってしまうよ。時間がない、自分でやるのは面倒と思ったのであれば、多少お金がかかっても税理士にすべて丸投げするのもおすすめだね。
まとめ
風俗嬢はお金の稼ぎやすい仕事とあって、興味を持つ女の子は多いでしょう。ただ一般的な会社員のように給与所得者ではないので、お店からもらう給料は源泉徴収されていないことがほとんどです。そのため確定申告で税金を納める義務が発生します。風俗嬢の中には申告していない人も多いようですが、もし後々バレると追徴課税ということで本来納めるべき税金よりも余計に支払わないといけなくなります。決められた期日までに確定申告の手続きを済ませて、きちんと納税しましょう。
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